掃除
掃除
私は掃除が好きだと勘違いしていた時期があった。
時間にしてだいたい十数年ほどだ。
最初にその勘違いが始まったのは、小学生の頃だ。
学校の掃除の時間、他の人がそこそこに掃除する中、かなり生真面目に掃除をしていた。
私は、教室がきれいになることに達成感を感じていたし、きれいな教室で授業を受けたいと思っていたからだ。
そのせいで、何度か友人とけんかをする羽目になったが、単に自分は掃除が好きで友人は掃除が嫌いだとそのときは思っていた。
中学生の頃になり、だいたい同じような好きという気持ちで掃除を行っていたが、少し大人になったことから友人とは衝突しなくなった。
そのころから掃除に対しての気持ちに少し違和感を覚え始めたが、確信とは程遠いレベルの違和感だった。
決定的になったのは、大学生になってからだ。
一人暮らしをし始めてから掃除の頻度はめっきり減ってしまった。
掃除をするというよりは、汚さないように予防することの方が多くなった。
そのころになって違和感が確信に変わった。
私は、「掃除が好き」なのではなく、「きれいな所が好き」で「汚すのが嫌い」だっただけだったのだ。
それから私は、むしろ掃除が必要ない、汚れを予防する方向へ方針を変えた。
今では、急な友人を招く時も大した掃除をしなくてもいいほどに予防できるようになってきた。
こういう勘違いからの気づきはなかなか無かったので少し新鮮だった。
今回の締め
掃除はした方がいい。
きれいなものをそのまま残したい。